「備蓄米」どこへ?スーパーに農家は…価格抑制につながるか 広島

広島

コメの価格高騰を解消しようと政府が放出した「備蓄米」。果たして起死回生の一手となるのでしょうか。地域のスーパーや米農家を取材しました。

先月、入札が行われた「政府備蓄米」。入荷した県内の卸売業者は17日までにスーパーなどに出荷するとしています。

しかし、安さが売りの南区のスーパーでは…

たかもり 伊木英人副社長「どこに流れていったんだろう?全くうちには入ってこないなというところですね今のところは」

まだ備蓄米は来ておらず、コメの入荷量も不安定な状態が続いているということです。

伊木英人副社長「きのう40袋くらい入ってきたのが1週間分なので、入ってきたら売れたら終わりの繰り返しで常に品切れしてるのが現状ですね」

また、価格も高止まりが続いています。このスーパーでは3年前には5kg1200円で販売していましたが、現在は4kg3500円となっています。

コメを購入した人「高くなってけえやれんよね。わしらはもうコメじゃないと。落ち着いたらいいんだけど」

店も消費者も今回の備蓄米放出で量や価格が早く安定してくれることを望んでいます。

たかもり 伊木英人副社長「(消費者と生産者にとって)いい形で安定するのが一番いいんじゃないかなと。来たら備蓄米ですって売ったらいいんじゃないかなと思うけど、全く分からないですよね入ってくる見込みが今のところないので」

農林水産省によりますとコメの平均価格は、今月6日までの1週間で5kgあたり4214円でした。14週連続の値上がりで過去最も高い価格が続いています。

米どころ世羅町では、今月末から始まる田植えに向け着々と準備が進められています。

きらり狩山 小迫高さん「種まきして最初ぐらいですね。育苗機から出して並べて緑化させて12~13cmぐらいになって大体葉っぱが2枚半ぐらいになったら植え付けをする」

用意する苗はコメおよそ90t分!主食用米の取引価格上昇もあり、これまで生産していた加工用米もやめて主食用米一本に切り替え増産体制で臨みます。

ただ理由はこれだけではありません。

きらり狩山 小迫高さん「ここの田んぼを作ってくれないかというのがあったり、あとあそこのお家のすぐ下の田んぼ今年増えるのは面積で30aぐらい」

コメ農家の引退…作り手がいなくなった田んぼの委託業務が近年増加しているといいます。

小迫高さん「稲をつくるだけだったらすごく簡単。草刈りが大変なんですよ。私ら団塊世代がだんだん辞めていく人が多いですね」

委託を受ける小迫さんの法人でも平均年齢は60代中盤と高齢化が進んでいます。近年は農業機械も高騰し、小規模な個人農家は太刀打ち出来なくなっているといいます。

きらり狩山 小迫高さん「(取引価格上昇で)辞めた人があえてやるかと言ったらないと思う。法人などが頑張ってできるだけコストを下げてやっていくしかない。私たちも努力をしてますからぜひ世羅の米をしっかり食べてもらいたい」