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Home > ESSAY > 第29話 「説得力のある喜怒哀楽」
ある哲学書には、こう記されてある。
「人は4つの場所しか移動できない。それは、喜怒哀楽という4つの感情である。」
ぐるぐるぐるぐる。
僕たちはこの4つの感情を、昨日、今日、明日と移動し続けている。
どんなに嬉しいことがあっても、突然の不幸が襲ってくるし、どんなに辛いことがあっても、必ず笑って過ごせる瞬間が現れる。
もしかしたら、生きるということは、そんな「感情」という地図を抱えた旅なのかもしれない。
「旅を充実させるのは、食事とホテル。」
これは、大手旅行代理店が長年に渡って調査した結果であり、揺ぎない経験則なのであろう。
どんなに景色の良い観光地を訪れようとも、食事が質素であれば、その旅の感動は冷める。
どんなに豊かな異文化交流をしようとも、ホテルが粗末であれば、その旅の記憶はモノクロだ。
つまり、旅とは、日常を支える、ありふれた欲求を充実させて、初めて輝くのである。
「人生とは旅のようなものである。」
ならば、生きることを充実させるには、この根源的な4つの感情を色濃くしてみよう。
震えるくらいの喜び。
噛み殺す怒り。
絶対温度の悲しみ。
脱力する楽しみ。
あなたには、感情の原体験がありますか?
僕は、昨日、今日、明日という人生の一瞬を、大好きな人や守るべき家族に伝える時、嘘の無い感情を伝えたいと考えている。
未来を語る楽しみ。
今を求める怒り。
過去を失う悲しみ。
そして、共に生きる喜び。
人は4つの場所しか移動できないのかもしれない。
でも、ふたりなら、8つの場所を訪れることができる。
旅はまだ始まったばかり、その喜怒哀楽を心の底から味わい、語ろうではないか。
僕たちの地図は自分たちで作らなくてはならないのだから。